膝の痛み
膝の痛みを改善し、
軽やかな一歩を
日本人に多い膝の痛みですが、実際に症状を発症すると階段の昇り降りがつらくなったり、歩行困難になったり、スポーツなどの競技だけでなく日常生活に支障をきたすことがあります。
一概に膝の痛みといってもその原因はさまざまで、それぞれの原因に合わせた適切な処置や改善アプローチをすることが大切です。
このページでは、膝の痛みの原因やその対処法、施術方法について詳しく解説します。
目次
こんなお悩みありませんか?
階段の昇り降りが辛く痛みが増強する
日常的にシップやサポーターでしのいでいる
膝の痛み強く長く歩けない
立ち上がると特に膝の内側が痛い
膝の痛みについて
加齢による変性が原因の膝の痛みと、部活動やスポーツなどの競技にて発症する膝の痛みはそれぞれ異なる原因をもつ膝痛です。
若い人はスポーツなど急激な動きによる組織の損傷が多く、膝に適切な対処をせずに活動を続けることで、長期的に炎症を引き起こすことがありますが、高齢者に多い加齢による痛みは、半月板や軟骨の減少に伴う膝の変形が主な原因となります。
自身の膝の痛みが何に起因するものなのかを正確に把握することが重要です。
変形性膝関節症
50代以上の方で歩行や起立時に痛みを感じる場合、変形性膝関節症(OA)の可能性があります。
変形性膝関節症とは、関節軟骨がすり減ったり、膝周囲の筋力が低下したりすることで膝関節の変形が起こり、炎症が広がることで痛みを生じる疾患をいいます。
また、長期的に炎症が続くことで膝周辺の組織が壊死してしまうケースもあります。
この症状には突然の激痛が伴うこともあります。
日本人の場合、変形性膝関節症は主に膝の内側で痛みが生じる内側型が一般的です。
<変形性膝関節症の症状>
・膝の曲げ伸ばしが上手くいかない
・階段の昇降時に膝が痛む
・動き始めの動きの際に膝が痛む
・痛みで正座ができない
・膝に水がたまり、腫れる
<変形性膝関節症の原因>
・加齢や膝関節組織の変性
・筋肉の衰え
・肥満による荷重増加
・O脚・X脚
オスグッド・シュラッター病
思春期のオーバーユースで発症する代表的な疾患です。
サッカーなどのスポーツによるオーバーユースが原因で起こる骨の成長によるスポーツ障害です。
大腿四頭筋が付着する脛骨粗面を過度に引っ張ることで負担がかかり炎症を引き起こし痛みを誘発します。
オスグッド・シュラッター病は、思春期の10〜15歳の子供によく見られる疾患ですが好発する部位が似ているため「成長痛」と誤解されることがありますが、激しい運動によって脛骨にかかる負荷が大きくなり、膝蓋靭帯が脛骨の軟骨と一緒に剥がれる状態です。
女子では10〜12歳、男子では12〜14歳くらいに、膝のお皿の下の脛骨結節が軟骨から硬い骨へと成長します。
しかし、身体ができあがっていない状態で大きな負荷に耐える準備が整っていないため、筋肉の繰り返しの牽引によって炎症や剥離が生じることがあります。
通常は成長とともに自然治癒することが多いですが、剥離した骨の影響で、大人になっても痛みが持続することもあります。
<オスグッド・シュラッター病の症状>
・膝の屈伸時に膝下に痛みが生じる
・膝のお皿の下に痛みが生じる
・膝のお皿の下を押すと痛みを感じる
・膝のお皿の下が硬く盛り上がる(隆起する)
<オスグッド・シュラッター病の原因>
・成長期により急激に身長が伸びる最中に、膝を伸ばす動きを繰り返し行う
(サッカーなどのキッキング動作の多いスポーツに好発します)
大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)
オスグッド・シュラッター病と同じく膝の疾患で、膝上に痛みを伴う疾患の中で最も一般的なものの一つです。
この状態は、太ももの前面にある大腿四頭筋が膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)を含み結びつけている腱が炎症を起こしているというものです。
別名を「ジャンパー膝」とも呼ばれ、バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作の多いスポーツでよくみられます。
ジャンパー膝は通常、膝下に痛みを感じることが一般的ですが、膝上にも症状があらわれる場合があります。
<大腿四頭筋腱炎の症状>
・膝上や膝の前面に痛みがある
・圧痛を感じる(膝上を押すと痛む)
<大腿四頭筋腱炎の原因>
・ジャンプ動作の繰り返し(バレーボールなど)
・急な切り返しやキッキング動作(サッカーなど)
半月板損傷
膝には半月板と呼ばれる緩衝組織があり、半月板損傷はその膝関節内の半月板に亀裂や欠損が生じる状態です。
若年層から中高年者まで幅広い年齢層でみられ、慢性的な損傷は変形性膝関節症の発症につながる可能性があるため、正確な診断と適切な処置が必要です。
半月板は膝関節内に位置し、大腿骨と脛骨の間にある線維軟骨です。
内側と外側の両方にあり、膝にかかる負荷を分散し、衝撃を緩和する役割を果たしています。
<半月板損傷の症状>
・膝の屈伸時にひっかかる感覚がある
・歩行時の痛みを生じる
・膝に水がたまる
・膝のロッキング現象(急にひざが動かなくなる症状)
・膝の外側の痛み
<半月板損傷の原因>
・加齢による負担の蓄積や変形
・ジャンプ動作の繰り返し(バレーボールなど)
・急な切り返し、キッキング動作(サッカーなど)
膝の痛みの対処方法
膝の痛みを改善するためには、まず痛みの原因を特定し、症状に応じた対処法を行うことが重要です。
冷却や温熱療法、ストレッチ、適切な運動など、実践しやすい方法で膝の負担を軽減できます。
ここでは膝の痛みを和らげるための具体的な対処法を詳しくご紹介します。
急性期の対処法(受傷後3日前後)
スポーツによって膝の組織を損傷した場合、受傷から約3日前後は炎症が起こりやすくなります。
この時期は患部を動かさず安静にし、冷やすことが重要です。
変形性膝関節症でも同様で、初期の強く痛みが出る段階では、炎症を抑えるために安静と冷却が有効です。
この時期に無理に動かすと炎症がひどくなり、症状が悪化する可能性があるため、適切な処置を受けるようにしましょう。
亜急性期~慢性期の対処法
(受傷後、炎症が収まってから)
急性期の炎症がおさまると、亜急性期から慢性期の対処に移行します。
この段階では、炎症が落ち着いているため次のステップへ移行するために次の方法が効果的です。
●患部の温める
患部を温めることで血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれ、痛みが軽減されます。
特に太ももやふくらはぎの筋肉を温め、下肢全体の血行を促進し症状の改善を目指しましょう。
●正しい姿勢
長年、膝に負担のかかる姿勢や動作を続けたことによって痛みが生じているケースも多くあります。
繰り返しの負担が加わり不可逆性の変形をきたす場合もあるため、日頃から正しい姿勢を心がけるようにしましょう。
また、特に負担が大きいスポーツをしている方は正しいフォームで身体を使うことができているか、フォームを見直すことも重要です。
●ストレッチ
ストレッチでは、特に臀部や太ももの筋肉を中心に行います。
硬くなった大腿四頭筋がほぐれてくると、膝の曲げ伸ばしがしやすくなり、痛みの緩和だけでなく、膝の疲れを解消する効果があります。
<太もも(前側)のストレッチ>
・壁に向かい、背筋を伸ばして立ち、右手を壁につきます。
・左手で左足の甲をつかみます。
・脚をお尻側に引き寄せ20秒ほどキープします。
・反対側も同様におこなっていきます。
左右10回ずつおこなうとよいでしょう。
●ウォーキング
日頃、身体を動かしていない方がいきなり運動をすると、周囲の組織が固くなっているため膝や関節が直接的なダメージを受けます。
特に中高年の方が運動を始める際には、自分の年齢や身体に見合ったものを無理のない範囲からスタートすることが大切です。
ウォーキングは無理なく身体に酸素を取り入れながら行う有酸素運動で、脂肪燃焼や筋力アップに効果が期待できます。
まずは20~30分/日、週3日あたりから無理せず始めてみましょう。
<膝の負担を軽減する歩き方のコツ>
・背筋を伸ばし、軽くお腹を引き締めます。
・あごを引き、視線は5〜6m先に落とします。
・足を着地するときに膝が軽く曲がる程度に歩幅をとる。
・かかとから着地して、次に親指の付け根に体重を移動し、つま先で大地を蹴ります。
・腕は足の動きに合わせて軽く振ります。
・首はまっすぐに保って揺らさないようにします。
●ウォーミングアップ
意外と見落としがちな運動前のウォーミングアップ。
筋肉が硬い状態で運動を開始すると、膝まわりの組織にストレスがかかって痛めやすくなります。
運動前には、軽いジョギングや体操など、ウォーミングアップは入念に行い、柔軟性を高めるようにしましょう。
当院の膝の痛みに対する
アプローチ
当院の膝の施術は幅広く対応しています。
膝の痛みには多くの原因が考えられ、半月板損傷、変形性膝関節症、ジャンパー膝、側副靭帯損傷などが挙げられます。
そのため、痛みの発生部位を正確に特定することが非常に重要です。
例えば、初期に半月板損傷を抱えていた場合でも、時間の経過とともに歩行の代償運動によって膝周りや股関節周りの筋肉に負担がかかり、鵞足炎のような二次的な問題が発生することがあります。
また、骨盤のゆがみや腸腰筋の緊張が神経を圧迫し、痛みを引き起こすこともあります。
負傷から時間が経つと、痛みの原因が複雑になることが多いです。
当院では、半月板や膝周りの靭帯の検査に加え、筋肉の慢性的な緊張を引き起こすゆがみ、脊柱や骨盤、下肢のゆがみを徹底的に検査します。
ゆがみを骨格矯正で正常化し、負担のかかっている筋肉や靭帯に対してハイボルテージや筋肉施術をおこない、痛みの改善を図ります。
また、必要に応じて筋力低下への対策としてトレーニングも併用し、臨機応変に対応します。