脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症を改善し、
痛みのない生活を
目指しませんか?
脊柱管狭窄症は、その名の通り脊柱で形成される脊柱管がふさがり狭くなることで発症する疾患です。
狭窄箇所によって腰や首をはじめ身体のいたる部分に痛みやしびれを引き起こす神経障害の一つです。
多くは加齢に伴い発症するとされていますが、日常的な姿勢の悪さや腰への過度な負荷なども原因となります。
このページでは、脊柱管狭窄症の原因や症状、予防方法などについて詳しく解説します。
目次
こんなお悩みありませんか?
お尻や足にかけて痛み・しびれがある
腰をそらす動きで痛みが強くなる
立ち上がるときに腰が痛む
前かがみになると痛みが軽くなる気がする
脊柱管狭窄症とは
背骨(脊椎)の内側には中心に空いた空洞が組み合わさってできた「脊柱管」という管が存在し、その中を中枢神経が通る構造になっています。
この脊柱管がなにかしらの状況によって狭くなってしまい、中を通過する神経を圧迫することでさまざまな症状がでてしまう病気が脊柱管狭窄症です。
発症する部位によって症状は異なり、腰部付近の脊柱管を狭窄すると通過する神経を圧迫することで、臀部や下肢にしびれや痛みを感じます。
腰部脊柱管狭窄症の場合、発症箇所から下の部位で症状が現れます。
お尻から太ももの裏、ふくらはぎや足にかけての痛みやしびれ、重だるさを感じることが主な症状です。
軽度の場合、腰痛も一般的な特徴のひとつです。
歩行中にお尻や足に痛みやしびれを感じ、一時的に座ったり屈んだりすると改善し、再び歩行できるようになることが一般的です。
これを間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。
60〜70代の方に多い病気で、50代を過ぎると徐々に患者数が増えていき、高齢者の10人に1人は脊柱管狭窄症といわれています。
脊柱管狭窄症の種類
脊柱管狭窄症は大きく分類されており、主に「馬尾型」「神経根型」「混合型」ということで神経が圧迫された場所によって3つに分類されます。
●馬尾型
脊柱管の中心部である馬尾神経が圧迫されたものです。
主な症状は、両方の下肢の痛みやしびれ、だるさ、異常感覚、排尿障害などが挙げられます。
●神経根型
主に脊柱管の外側が狭くなり、神経根が圧迫されるタイプです。
お尻から下肢に向けての痛みやしびれがあり、両方ではなく片側のみ感じます。
●混合型
馬尾型と神経根型の両方が混在したタイプです。
両者を合わせた症状があります。
脊柱管狭窄症の原因
脊柱管狭窄症は、加齢による変形、日頃の姿勢や動作習慣による影響などが主な原因です。
当院では、脊柱管狭窄症の具体的な原因について詳しく解説しています。
加齢による変性
加齢による腰椎の変形によって脊柱管は狭くなっていく可能性が高くなります。
長年に渡って腰に負担がかかるような姿勢や動作を繰り返しおこなうことで、背骨そのものや、背骨と背骨の間にある椎間板、骨と骨をつなぎ合わせ補強する靭帯(じんたい)が変形・変性していきます。
変形・変性によって脊柱管の中が狭くなると、通過する中枢神経が圧迫されて周囲の血流が低下するため脊柱管狭窄症が発症するといわれています。
日頃の姿勢や動作習慣による影響
腰や下肢に症状が出やすい脊柱管狭窄症は、腰の骨に負担がかかる姿勢や動作習慣が原因で発症することがあります。
デスクワークや長時間同じ姿勢が続く仕事、過酷な環境での肉体労働などは、特に長期間にわたり腰に負担がかかりやすいため発症の原因になりやすいとされています。
他にも、過度な運動や交通事故なども原因となることがあります。
肥満
体重が増え肥満気味になると、過度に腰椎に繰り返しの負担をかけ、脊柱管狭窄症のリスクを高めます。
体重増加により背骨、特に腰椎に圧迫がかかり、椎間板や靭帯、軟骨部分が変性や炎症を引き起こします。
この状態が続くと、腰椎の変性によって脊柱管が圧迫され、脊柱管狭窄症が発症しやすくなります。
先天的な要因によるもの
後天性の脊柱管狭窄症に比べ発症の割合は少ないのですが、先天的な発達異常が原因で脊柱管狭窄症が発症することがあります。
成長期には、脊柱管も広がっていくのが一般的ですが、先天的な異常により脊柱管が適切に広がらず、狭窄することがあります。
この場合、若い年齢で症状があらわれることが多いです。
非常にまれですが、若い年齢で脊柱管狭窄症の症状が現れる場合は、できるだけ早く専門医に相談することが重要です。
脊柱管狭窄症の改善法・予防法
脊柱管狭窄症の改善には、適度な運動やストレッチ、正しい姿勢の保持が効果的です。
さらに、生活習慣の見直しや腰に負担をかけない動作の工夫も重要です。
専門的な知識に基づいた具体的な改善法と予防法をわかりやすくお伝えしています。
身体への負担を分散させる
膝や足を使わずに腰だけを曲げて重たい荷物を抱え要とする動作は腰への負担がかなり増えます。
物を持ち上げる際、膝を曲げて腰の位置を低くすることで、腰にかかる負担を軽減できます。
股関節や膝関節を上手く使って、腰にかかる負担を適切に分散しましょう。
日常的にウォーキングをおこなう
毎日30分ほどの軽いウォーキングは、疲労の蓄積よりも適度に腰まわりの筋肉をほぐし、血液循環を促進し、痛みを和らげるのに効果的です。
さらに筋肉の柔軟性も高める効果も期待できるため、結果として腰にかかる負担が軽減されます。
ただし、脊柱管狭窄症を発症している方は、長時間歩くと足や腰に痛みやしびれが生じる可能性があるため注意が必要です。(間欠性跛行:かんけつせいはこう)
脊柱管狭窄症を罹患している方は、過度な長時間のウォーキングは避け、必要に応じて適度に休憩を取りながら運動をするよう心がけましょう。
ストレッチと筋トレ
ストレッチをおこなうことで、周囲の筋肉の柔軟性を回復させ周囲の身体の動きを良くすることで、脊柱管内で狭くなっている神経の通り道を広げて、神経の圧迫緩和が期待できます。
腰部や足の付け根の関節の動きを妨げる筋肉のこりをほぐすように意識しながらおこないましょう。
①仰向けになります。
②膝を曲げて両手で抱えます。
③膝を顔近くまで引き寄せます。
これを10回ほど繰り返しましょう。
椎骨を支える筋肉として、コルセットのような役割をする「腹横筋(ふくおうきん)」という筋肉があります。
お腹が割れたように見える筋肉は腹直筋(ふくちょくきん)ですが、脊柱管狭窄症の場合は腹筋の中でも「腹横筋」を鍛え、椎骨にかかる負荷をサポートしましょう。
①仰向けになり両膝を立てます。
②腹式呼吸の要領で、息を大きく吸ったり吐いたりします。
③息を吐くときに合わせて、お腹を限界までへこませます。
これを 10 回程度繰り返します。
息を吐くときは口をすぼめるようにして、ゆっくり長く吐くようにしましょう。
①腹筋と背筋の中でも、「インナーマッスル」という姿勢を保つ筋肉を鍛える運動です。
②四つ這いの姿勢で、背中が曲がったり反ったりしないようにします。
③右手と左足をまっすぐ上げて15 秒キープします。
④次に左手と右足をまっすぐ上げて15 秒キープします。
手足を上げたときに、身体が傾かないように意識しましょう。
また、お腹をへこませるように力を入れると効率よく筋肉を刺激でき、反り腰の防止にもなります。
ストレッチと運動をおこなう際の
注意点
●痛みがあるときは無理をしない
治療をあせり無理に運動療法を行ってしまうと、脊柱管狭窄症による症状を悪化させたり、かばうことで負担が偏り別の部位をケガする危険性があります。
まずは筋肉がつっぱる程度のストレッチにとどめ、痛みやしびれが出るまで無理におこなわないようにしましょう。
●姿勢が悪い状態でおこなわない
運動療法は正しい姿勢でおこなわないと、他の部分に余計な負荷をかけてしまいケガの原因となったり、狙った効果が得られなかったりします。
脊柱管狭窄症のストレッチでは、「腰を反らない」という点が重要です。
お腹に力を入れることを意識すると腰が反りにくいのでおすすめです。
●継続して取り組む
ストレッチや運動をおこなって症状が緩和されても、脊柱管狭窄症の原因となっている脊椎の状態や姿勢はすぐには元に戻りません。
そのため、症状が緩和される運動は特に継続して取り組むことが重要です。
特に筋トレは最低1ヵ月は継続するようにしましょう。
当院の脊柱管狭窄症に対する
アプローチ
脊柱管狭窄症は、脊柱神経の通り道である脊柱管が変形や黄色靭帯の肥厚などによって狭くなり、神経圧迫を引き起こす症状です。
まず問題となるのは、股関節周りや骨盤周りの筋肉の緊張やゆがみが、腰椎の動きに負荷をかけ、脊柱管の狭窄を悪化させることがある点です。
この場合、股関節や骨盤のゆがみや柔軟性を改善するために、骨盤矯正や鍼灸施術、筋肉の施術などを行い、脊柱管への負担を軽減し症状を改善していきます。
また、背骨を支えるインナーマッスルや股関節周りの筋肉が弱まることによって、腰椎を支える力が低下し、筋肉の過緊張が神経圧迫を引き起こすことが多くみられます。
このような場合には、筋肉の緊張を緩和し、インナーマッスルの強化や腰回りの筋肉のトレーニングをおこないながら、痛みを改善していきます。
脊柱管狭窄症は放置すると徐々に悪化し、腰が曲がったり変形したりすることがあります。
腰椎の変形は修復できないため、早期にゆがみや筋緊張、筋力の低下などに対処し、症状の早期改善と予防に取り組むことが重要です。